国立新美術館で開催中!「マティス 自由なフォルム」

20世紀最大の巨匠アンリ・マティス(1869-1954)。自然に忠実な色彩から解放された大胆な表現が特徴のフォーヴィスムの中心人物としてパリで頭角を現します。後半生の大半を過ごすこととなるニースではアトリエで様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、マティスは色が塗られた紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法「切り紙絵」に取り組みます。

『マティス 自由なフォルム』展ではフランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵に焦点を当てながら、絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約150点を紹介。なかでも同館が所蔵する切り紙絵の代表的作例である《ブルー・ヌードⅣ》が出品されています。

《ブルー・ヌードIV》と切り紙絵
マティスは1952年に、切り紙絵による4点の連作<ブルー・ヌード〉を制作しました。
その中でも《ブルー・ヌードIV》は、青い切り紙が重なり合う部分が最も多く、物質としての紙の存在感が強くなっています。
女性の身体をデッサンした痕跡が数多く残されており、念入りに構築されていたことがわかります。
《葦の中の浴女》や《アンフォラを持つ女》 など、女性の身体は青の切り紙絵によって数多く創られ、その大半はレジナ館の壁面に切り紙絵を貼り付けて制作されました。

マティスは、1917年からニースに滞在するようになり、1938年にアパルトマンを購入し、晩年までニースで製作し続けました。
1946年、切り紙絵によるマケットを基に《ポリネシア、海》と《ポリネシア、空》というタペストリー2点を制作。
マティスのブルーも、ニースの海や空の影響が、大いにあったに違いありません。

そして、《花と果実》はフランスでの修復を経て日本初公開された作品です。
高さ8.7mの白い壁に、鮮やかなブルーと花々の色が映える大作。

さらに、マティスが最晩年にその建設に取り組んだ、芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目し、建築から室内装飾、祭服に至るまで、マティスの至高の作品の数々を見ることができます。

ヴァンスのロザリオ礼拝堂
(内部空間の再現)
Replica of the Rosary
Chapel in Vence

夜から朝が来て、
鳥の声が聞こえ、
光が入り、
ステンドグラスから差し込む光が
時間の移ろいと共に
床に映し出されていく。

鐘の音が響き渡り、
今度は正面のステンドグラスから
光が差し込み、
長い光を映し出して
時間の流れと共に移動していき、
そして、日が暮れ、夜になる。

そのひとときを垣間見ることができる展示となっています。

ぜひマティスブルーを観に足を運んでみてくださいね!

  開 催 概 要  

会期
2024年2月14日(水) ~ 2024年5月27日(月)
毎週火曜日休館
※ただし4月30日(火)は開館

開館時間
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※4月28日(日)・5月5日(日)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで

会場
国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2

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