信号機の「青信号」は、実際には緑色に見えるのに、なぜ「青」と呼ばれているのでしょうか。
日常的に使っている言葉だからこそ、改めて考えると違和感を覚える人も多いはずです。
この呼び方には、日本語の文化や歴史、そして信号の色に関するルールが関係しています。
本記事では、「どうして青信号と呼ばれるのか」について調査してみました。
「青信号」の呼び方は元々「緑信号」だった

日本に交通信号が登場したのは昭和5年と言われています。
当時の法令では、現在「青信号」と呼ばれているものは「緑色信号」と明記されていました。
つまり、制度上の正式な色は最初から緑だったということです。
信号の役割としても、進行を示す色として緑が採用されており、この点は現在も変わっていません。
にもかかわらず、日常では「青信号」という呼び方が定着しているのはなぜでしょうか。
青信号と呼ばれるようになった経緯
「青信号」という呼び方が定着した背景にはいくつかの説があります。
その中でも有力とされているのが、信号機導入当初に新聞が「青信号」と表記したことをきっかけに、世間でもその呼び方が広まったというものです。
多くの人が日常的に「青信号」と呼ぶようになった結果、後に法令上の表記も「青信号」へと変更されました。
また、日本では古くから緑色を「青」と表現する文化があります。
たとえば、青葉や青りんご、青々とした新緑など、本来は緑であるものも「青」と呼びます。
このような言語感覚が背景にあったことで、「青信号」という呼び名は違和感なく受け入れられたと考えられます。
道路交通法でも現在は「青」と記載されている
現在は、信号の種類と意味を定める道路交通法施行令においても、進行を示す信号ははっきりと「青色の灯火」と記載されています。
法第四条第四項に規定する信号機の表示する信号の種類及び意味は、次の表に掲げるとおりとし、同表の下欄に掲げる信号の意味は、それぞれ同表の上欄に掲げる信号を表示する信号機に対面する交通について表示されるものとする。
(中略)
青色の灯火
一 歩行者及び遠隔操作型小型車(遠隔操作により道路を通行しているものに限る。)(以下この条において「歩行者等」という。)は、進行することができること。
二 自動車、一般原動機付自転車(法第十八条第一項に規定する一般原動機付自転車をいう。以下同じ。)(右折につき一般原動機付自転車が法第三十四条第五項本文の規定によることとされる交差点を通行する一般原動機付自転車(以下この表において「多通行帯道路等通行一般原動機付自転車」という。)を除く。)、トロリーバス及び路面電車は、直進し、左折し、又は右折することができること。
三 多通行帯道路等通行一般原動機付自転車、特定小型原動機付自転車(法第十七条第三項に規定する特定小型原動機付自転車をいう。以下この条及び第四十一条の三第一項において同じ。)及び軽車両は、直進(右折しようとして右折する地点まで直進し、その地点において右折することを含む。青色の灯火の矢印の項を除き、以下この条において同じ。)をし、又は左折することができること。
もともとは「緑色信号」とされていた時期がありましたが、一般に「青信号」という呼び方が広く定着したこともあり、法令上の表記も現在の形に整理されました。
つまり、実際の見た目は緑に近くても、日本の制度上は正式に「青」として扱われているということです。
そもそも日本には元々「緑」がなかった!?
青信号と呼ばれる背景には、日本語そのものの成り立ちも関係しています。
古代の日本では、今のように色の名前が細かく分かれていたわけではなく、基本となる色の言葉は「赤・青・白・黒」の4つが中心だったそうです。
緑信号が「青」と呼ばれるのは、この日本の習慣が残っているのかもしれません。
海外では緑(グリーン)信号と呼ばれている

日本では青信号と呼びますが、海外では一般的に green signal や green light と表現されます。
実際、日本自動車連盟の英語案内でも、進行の信号は Green light と案内されています。
Types of traffic lights with meanings Green light Pedestrians may proceed and cross. Vehicles other than lightweight vehicles, and streetcars/trams may go straight or turn left or right.
(訳:信号機の種類とその意味青信号歩行者は進んで横断できます。 軽量車両以外の車両、路面電車/トラムは直進、左折、右折できます。)
引用元:JAF
つまり、日本のように緑色の信号を日常的に青と呼ぶ感覚は、海外ではあまり一般的ではありません。
日本では言葉の歴史や文化の影響で青信号が定着しましたが、国際的には緑として扱うのが基本です。
日本では「青信号」で問題ない
信号の色は実際には緑であるにもかかわらず、日本では青信号と呼ばれています。
青信号という呼び方は誤りではなく、日本の文化や歴史に基づいた自然な表現だといえます。
実際の色と呼び方に違いはありますが、日本では青信号で意味が正しく伝わるため、特に問題はありません。
日常的に使っている言葉の中にも、こうした歴史や背景があることを知ると、身近な疑問も少し面白く感じられるのではないでしょうか。




