空はなぜ青いのか?
光の性質と波長の違い
太陽の光は、実は「白色光」と呼ばれるさまざまな色の光が混ざったものです。
この光をプリズムで分解すると、「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色(可視光)が現れます。
これらの色はそれぞれ波長が異なり、赤い光は波長が長く、青い光は波長が短い特徴を持っています。
レイリー散乱による青空の形成
空が青く見える主な理由は「レイリー散乱」と呼ばれる現象です。
これは、太陽光が大気中の分子(酸素や窒素)にぶつかることで光が四方に散乱する現象のことです。
- 波長の短い青い光は、赤や黄色の光よりも10倍以上強く散乱されるため、空全体が青く見えます。
- 一方で、赤や黄色の光は直進しやすく、散乱されにくいため、昼間の空ではほとんど見えません。
海はなぜ青く見えるのか?
海の色は「反射」と「吸収」で決まる
海が青く見える理由には、大きく2つの要因があります。
- 空の青色の反射
- 海の表面は鏡のように空の色を反射するため、晴れた日は海が青く見えます。
- 曇りの日や夕方には、海の色が灰色やオレンジ色に見えることがあるのは、この反射の影響です。
- 水の分子による光の吸収と散乱
- 水は光を吸収する性質を持っており、特に赤い光(波長の長い光)をよく吸収します。
- 一方で、波長の短い青い光は吸収されにくく、散乱されるため、海の色は青く見えるのです。

海の色が変わる条件
海の色は、場所や状況によって異なります。
- 浅い海(例:沖縄やモルディブ)
→ エメラルドグリーンやターコイズブルーに見えることが多い。
→ これは、水の透明度が高く、海底の白い砂に光が反射するため。 - 深い海(例:太平洋の外洋)
→ 濃い青色や紺色に見える。
→ 深い海では赤や緑の光がほぼ吸収され、青い光のみが反射・散乱するため。 - プランクトンが多い海(例:北極海、黒海)
→ 緑色や茶色に見えることがある。
→ プランクトンや有機物が光を吸収・散乱するため。

特別な青 〜世界の美しい青い水〜
モルディブの青い海
モルディブの海は「ターコイズブルー」と呼ばれる透明度の高い青色です。
これは、海底の白い砂が光を反射することで、明るく美しい青色に見えるためです。

カナダのルイーズ湖のターコイズブルー
カナダのロッキー山脈にあるルイーズ湖は、まるで宝石のようなターコイズブルーです。
これは、氷河から流れ込んだ「氷河粉」が水中に浮遊し、光を散乱させるためです。

ブラジルのレンソイス砂漠の青いラグーン
雨季にだけ現れるレンソイス・マラニャンセス国立公園のラグーンは、青く透き通った水をたたえます。
砂漠の白い砂が光を反射し、純粋な青色が際立つため、美しい青の景色が広がります。
まとめ – 空と海の青は、自然が生み出す神秘
空の青は「レイリー散乱」
波長の短い青色が大気中で強く散乱されることで、空が青く見える。
海の青は「反射」と「吸収・散乱」
空の青を反射し、水が赤い光を吸収することで、海が青く見える。
環境によって青の見え方が変わる
海の深さ、プランクトンの量、光の角度などが影響し、海の色は変化する。
自然が生み出す「青」の不思議は、科学的なメカニズムと深く関わっています。
次に空や海を見上げるときは、ぜひこの知識を思い出して、自然の色の神秘を楽しんでみてください!
